患者さんへの教育
サリドマイド製剤等の危険性
サリドマイド製剤等は妊娠中の女性が服用した場合、たとえ1カプセルでも胎児に重大な障害又は死産、流産を引き起こす可能性があります。また、男性がサリドマイド製剤等を服用した場合、精液中にサリドマイド、レナリドミドが移行します。サリドマイド製剤等を服用する患者さんにはTERMS®の内容を指導してください。
妊娠回避の徹底
◆妊娠回避を徹底すべき対象者と、妊娠回避を徹底する期間は以下のとおりです。
対象者 | 妊娠回避の期間 |
女性患者C及び男性パートナー | サリドマイド製剤等服用開始4週間前から服用中止4週間後まで |
男性患者 | サリドマイド製剤等服用開始時から服用中止4週間後まで |
◆妊娠回避の方法
性交渉を行わないことが、確実な妊娠回避方法です。
性交渉を行う場合は、以下の避妊方法を実施するよう指導してください。
女性患者C及び男性パートナー
男女それぞれが以下の避妊方法を1種類以上実施し、男女合わせて2種類以上を組み合わせる必要があります。
男性患者
コンドームを使用する必要があります。
なお、効果的な妊娠回避を行うため、女性パートナーも以下の避妊方法を実施することを推奨します。
男性 | 女性 |
コンドーム | 子宮内避妊具(IUD) 経口避妊薬(ピル) 卵管結紮術 |
「サリドマイド製剤等と経口避妊薬(ピル)の併用は、血栓症と血栓塞栓症のリスクを高める危険性があるため注意が必要です」
避妊に失敗した場合は、直ちに処方医師へ連絡するよう指導してください。
☞特に女性患者Cは、直ちにサリドマイド製剤等の服用を一時中止させてください。
☞処方医師は、連携先の産科婦人科医師に患者を紹介する等の措置を行うとともに、TERMS管理センターへ連絡してください。
保管と管理について
【共通】
・子供の手の届かない患者さん専用の場所で、飲食物と区別して保管すること
・直射日光、高温、多湿を避けて保管すること
・他の人と共用したり、譲ったりしないこと
・服用する必要がなくなった場合でも、自宅に残したり捨てたりせずに、お薬を受け取った薬剤部(科)へ持参すること
※患者さんが来院できない場合は、家族の方等に持参していただくこと
・紛失等した場合は、直ちにお薬を受け取った薬剤部(科)に連絡すること
【サレドカプセルの場合】
・カプセルシート又は薬剤管理キットに入れた状態で保管すること
・服用しなかった場合は、カプセルシート又は薬剤管理キットに残した状態で保管し、次回診察時に、医療機関へ残ったお薬の入ったカプセルシート又は薬剤管理キットの提示又は自己申告により、残った数量を医師・薬剤師に報告すること
【レナリドミドカプセル「FNK」の場合】
・必要に応じて薬剤管理キット又は専用のカプセルシートに入った状態で渡された場合は、それらに入れたまま保管すること
・服用しなかった場合は、次回診察時に医療機関へ持参又は自己申告により、残った残量を医師・薬剤師に報告すること


その他の注意事項
♦献血をしないこと
診察日当日のお願い
♦必ず患者登録カードを持参すること
♦残ったお薬があるか、診察日に確認すること
残ったお薬があれば、お薬の入ったカプセルシート又は薬剤管理キットを持参するか、残ったお薬の数量を医療機関に報告すること
♦『薬剤管理キット』を使用している場合は、必ず持参すること
次回調剤分のお薬を入れる為に必要ですので、未服用薬の有無に関わらず、診察日には必ず『薬剤管理キット』を医療機関へ持参すること